2013年10月03日

初めまして。始めました。

こんばんは。お初にお目にかかります。Iguathです。これでイグアスと読みます。更新はそんなに頻繁にはしないかもしれませんが、頑張ってミリタリな妄想を書いていきます。よろしくお願いします。

早速ですが、挨拶がわりに妄想をぶちまけたいと思います。
初めまして。始めました。
じゃん。この子の名前はModular Assault Rifle System略してMARSです。イスラエルの照準器にも同じような名前のものがありますが、なんら関係はありません。

元々の主目的は89式の後継機種です。ですが、豊和工業がこれを作ってくれるわけないので、LEを一応ターゲットとしています。俗にいうタクティカルライフルです。大まかな要求としては、
1. 920mm以下の全長を備えること。
2. 重量が3000g以下(弾倉を含まず)であること
3. 作動性が良好であること
4. 拡張性を備えること
5. 5.56x45mm弾を使用すること
6. 良好な生産性を備えること
7. 89式5.56mm小銃の後継として相応しいこと
などです。

89の一番の問題は拡張性と操作性です。89をベースとする上でこの2点が大きな問題でした。そこで、89をベースにしながら一からデザインをし直し、それをSCARとM4、ACRで補うことにしました。トップレールは今後の光学機器の発展に合わせて12inとし、ハンドガードには取り外し式のサイドレール、アンダーレールを備えることにしました。

作動方式はアダムスのM4ガスピストンコンバージョンキットを参考にデザインした、ロングピストンショートストローク・ガスオペレーション方式です。6つのマイクロロッキングラグを備え、22.5度の角度で回転するロータリーロッキングボルトを採用しています。このあたりはM4や89の信頼性を受け継ぐのが目的です。また、出来る限り部品を減らしながら、バレルへのストレスを可能な限り少なくすることも考慮しています。ボルトストロークはおおよそ120mm確保すると決定しました。

撃発はVz58や64式7.62mm小銃を参考にした、ストライカー方式を用います。部品点数削減による信頼性確保と野戦分解時、小さい部品の紛失事故防止のためです。

レシーバーは生産性を考え、ADCで作ります。ADCとはアルミ合金のダイキャストのことです。品番は考えていませんが、6番あたりになるでしょうか。崩壊性の中子を使い、内部の複雑な形状も一気に成型することで、大幅な工程削減を行います。

エジェクターはボルトガイドも兼ねて、メカニカル式を選定しました。必要以上に豪華な装備ですが、冬季の作動性確保には必要な措置だと思います。

ストックはポリマー製とし、軽量化します。また時代の流れに乗るため、ストック、チークピース、バットプレートを可動とし、全体を折りたたむことが出来ます。チークピースが可動式なのは、ガスマスク装着時の違和感解消のためです。バットプレートはリコイルを受け止めるところを少しでも上にすることで、銃口を抑制しやすくします。伸縮式のストックはボディアーマー装着時を考えてのことです。

全体の構成としては、工具なしで野戦分解が行えることを絶対条件としました。それも出来る限り細かいパーツまで工具なし、小さいパーツなしで作ります。

以上を踏まえてデザインしたのが、MARSです。
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まず目につくのは穴だらけのハンドガードでしょうか。
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ハンドガードはCFRP(カーボンファイバーリーンドプラスチック)で作ります。突起など小さいパーツは後付の金属で構成する可能性がありますが、全体はFRPです。なんとしても前部の重量を削減したかったので、高価ですが、カーボンの使用を決めました。ちなみにウェットカーボンです。
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マズルには89式とほぼ同規格の消炎器を備えます。シュアファイアのマズルブレーキも参考にしています。
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上部は長い20mmレールが存在します。アッパーレシーバーと一体成型です。
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ハンドガードにレールを装着した図。また、付属のバイポッドを畳んでいます。
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前部。一応フリーフロートです。
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後部。バットプレートが外れると、コンパートメントが現れ、クリーニングキットなどを収納できます。
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ガスプラグは120度捻って取り外します。その後、ガスピストンとリターンスプリングを前方に引き抜きます。ガス圧調整はカット、小中大です。
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分解図。アッパーレシーバー、ストックアッセンブリ(チークピース、ストック、ストック基部、バットプレート)、ロアレシーバー、トリガーアッセンブリ、セレクター、グリップ、ボルト、ボルトキャリア、ストライカー、メインスプリングアッセンブリ、バレル(ガスブロック、バレルナット含む)、ガスプラグ、ガスピストン、ガスピストンリターンスプリング、マガジンの15点。
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コッキングハンドルはACR丸パクリのパートタイムレシプロケート式です。ハンドルが後退した状態ではボルトキャリアと結合しています。上の写真はハンドルが前進した状態。下は後退した状態です。
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ちなみに、コッキングハンドルを最大位置まで後退させると結合は解けますが、そこまで後退させるにはメインスプリングアッセンブリを取り外している必要があります。
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レシーバー内部です。エジェクターがボルトガイドを兼ねているのがわかるでしょうか。灰色がボルトキャリアとストライカーです。手前がエジェクター/ボルトガイドです。
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ストックアッセンブリを取り外した状態。手前がメインスプリングアッセンブリです。
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グリップ基部にはグリップセレクターセイフティがあります。これは不意にセレクターが動いてしまわないようにするためのものです。セレクターをSG550と同じ位置にするにあたり、必要な装置と判断しました。この安全装置は撃発機構とは関係がありません。また、これが機能するのは安全から連発に切り替えるときだけです。連発から安全にする際、連発から単発にする際、その逆は作動しません。
セレクターは0度で安全、45度で連発、135度で単発です。ア→タ→レにしなかったのは89と操作性を統一させたかったこと、緊急時に135度までグリップを握りながら操作するのは難しいことを鑑みました。単発を90度にしなかったのは、セレクターがトリガーフィンガーに干渉するのを避けたかったからです。

ちなみにロアレシーバーはポリマー製です。
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トリガーガードにはボルトストップがあります。上下するだけのパーツですので、操作には力が要ります。ここに配置したのは、手動でボルトを後退位置で止める際に便利なのと、視界がないとき、銃がホールドオープンしたのを感覚的に知らせるためです。もちろんここを押し込めば、ボルトは前進します。
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ボルトキャリアが120mmほど後退した写真です。ボルトからエジェクターが突き出ています。
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ガスピストンシステムのカット。ガスピストンは根元あたりまで空洞になっており、そこをガスが通ります。安定してピストンが後退するための措置です。また、ピストンはレシーバー側で支えられているため、ガスプラグとは前面しか接していません。例えカーボンがプラグの周辺、ピストンの内部に付着しても、摺動部はクリーンな状態が保たれます。ガスはガスプラグを通り、ガスピストンに侵入、内部の空気を圧縮した後、ガスピストンの前方に噴出します。その際ガスブロックに当たるため、リコイル軽減が期待出来ます。レシーバーのピストン受け面はメタルベアリング3点で構成されており、ゴミがたまってもメタル間に落ち、また熱伸縮をそれで吸収することで作動を保ちます。
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ハンドガードの支え面。アッパーレシーバーに約24mmハンドガードの突起が引っかかることで支えます。取り外す際はハンドガードピンを抜き(脱落防止装置があるため完全には抜け切らない)、ハンドガードを前方に25mmずらしてから下方向に引き抜きます。
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ストックアッセンブリの取り外し方。ちなみにストックはポリマー製です。
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リアピン(脱落防止装置があるため完全には抜け切らない)を抜き、ストックを上方に5mmずらした後
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後方に引きます。
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折り畳み図。
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マガジンハウジングとロアレシーバーは一体です。
マガジンハウジングにはマガジンテンションがついています。これはマガジンに下方向の力を常にかけ続ける機構です。これにより、マガジンが正しく装着されていない事故を防ぎます。副次的な要素として、マガジンの交換が素早く行えます。
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ストックアッセンブリ
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バットプレート可動時
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ストックコンパートメント
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ストック伸縮時
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チークピース可動時
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バレルのレシーバーへの固定は6本のボルトとバレルナットを併用します。写真はバレルナット。ボルトを全て取り外した後、バレルナット専用の工具を使い、ナットを45度ほど回転させて取り外します。その後、バレル全体を前方に引き抜きます。
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SCARのシステムのパクリです。
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ボルトキャリア。突き出しているのはストライカーです。この状態から60mmほど前進して撃発します。(数値は適当です)
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ボルト。ボルトはストライカーを取り外したあと、前方に引き、捻ることで取り外します。AKと同じです。エキストラクターも工具なしで取り外せるように考えています。
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レシーバーと一体のボルトキャリアガイドとボルトキャリアの噛み合い。三角で間欠です。これは異物対策です。単純な突起の場合、ゴミがレールの上に乗る可能性がありますが、これなら問題ありません。上の三角はコッキングハンドルとボルトキャリアの噛み合いを制御するためのものです。
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ストック基部にはスイベルが備わっています。ストック折曲時にここにスリングを配置できます。
初めまして。始めました。
エジェクションポート。出っ張っているのは薬莢袋(カートキャッチャー)を装着するためです。また、ケースリフレクターの穴もカートキャッチャーを固定するためのネジ穴です。
初めまして。始めました。
初めまして。始めました。
付属のバイポッド。素材は詳しく考えていませんが、この形状、この厚さだと恐らく金属になるでしょう。取り外し方はハンドガード内にある突起を上方に引き、捻って穴に合わせるだけです。
初めまして。始めました。
ガスプラグ。ガスプラグはSG550のような固定方法です。プランジャーを押しながら回転させることで取り外し、ガスカット、ガス流入大中小を制御します。
初めまして。始めました。
ガスピストン受け部。ここはアッパーレシーバーとは別パーツです。捻じ込み式ですが、ゆるみ止めのイモねじを併用します。
初めまして。始めました。
カット図。ピストンが空洞になっています。受け部の支点もあります。
初めまして。始めました。
グリップ底部のネジを緩め、セレクターを取り外すと、トリガーアセンブリが上方に取り外せます。
初めまして。始めました。
ロアレシーバーを取り外した図。メインスプリングアッセブリが見えます。この銃ではテイクダウンは出来ません。ロアレシーバーは前後のピンを外したあと、全体をアッパーレシーバーから引き出します。
初めまして。始めました。
初めまして。始めました。
アッパーレシーバー図。エジェクターとピストン受け部を取り外しています。
いかがでしたでしょうか。これのモデリングにはGoogle Sketchupという無料のソフトを使っています。もし興味がありましたら、データを置いておくので、ご覧になってください。

↓ロングハンドガード
https://docs.google.com/file/d/0B__XTmUtpmNTSVliSS1ROEpocVU/edit?usp=sharing
↓ノーマル
https://docs.google.com/file/d/0B__XTmUtpmNTSndsM2tPQUJrUjQ/edit?usp=sharing
トリガー機構など詳細はまだ未完成です。ご了承ください。

ご意見、ご感想をお待ちしています。




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Posted by イグアス・ツェペルト  at 01:37 │Comments(3)MARS(自作アサルトライフル)

この記事へのコメント
はじめまして。

なかなか興味深いものを拝見させていただきました。
すごいですね、ここまでご自分で設計してしまうとは驚きです。
コンセプトもしっかりしてらっしゃるので面白そうです。


一応デザイン上の意見を置いておきますので参考までに。
・バレルとストックの軸線を同一線上にする(リコイルコントロールを容易にするため e.g.M4等)
・ストック折りたたみ時、ファイアセレクタ・マグキャッチとストックの干渉がないようにする(安全のため。なお、西側の小銃はハンドガードを左手で保持した状態でストックを展開するためにストックの折りたたみ方向が右側に来ているはずですので、そちら側の方がいいと思います。)
・アッパーレシーバーはダイキャストではなくアルミ押出の方がよい(精度的優位性があること、鍛造に馴染み強度が確保しやすいこと、現代のマシニング技術ではこちらの方が実は低コストであることなど。 e.g. SCAR、ACR、XCR等)
・はめ合い接合箇所(ストック基部やハンドガード等)の突起は大きくかつ少なく(強度を確保するため)
・ピストンレールは、もっと太く、かつスチール等の高強度素材で。また、間欠部は溝程度の細さで、さらに角はフィレットまたは面取りをする(耐久性および作動性向上のため。角があると僅かにでも引っ掛かりが生じて破裂等の危険があります。また、レシーバー一体型のレールだと、A7075でもアルミは柔らかいので、摩耗等による故障が生じた時にアッパーごと完全交換になってしまい経済的ではありません。)
・たぶんアッパーの素材の厚みが2mm程度しかないように見えるので、最低でも3mm以上、可能であればもっと厚くするほうが良さげ。また、ポリマー部はアルミ材以上に強度がないのでより厚みを持たせ、凹面角は応力によるクラックを防止するためにフィレットして応力を分散させるなどの措置を講じる必要がある。(その他箇所も恐らく実銃デザインなら厚み的に強度が不足しそうな感じがします。)

作動機構部は図示がないのでコメントできませんが、トリガーパックやボルトキャッチ機構は、他の可動部との関係で十分に強度と作動性が得られるように設計する必要がありそうですね。
設計頑張ってください。
Posted by ネヴリン at 2013年10月04日 01:29
>>ネヴリンさま

初めまして。貴重なご意見ありがとうございます。何分当方、機械工作、図面は素人ですので、至らない点はご容赦ください(笑)
頂いた意見についての解答は以下です。
>>バレルとストックの軸線を同一線上にする(リコイルコントロールを容易にするため e.g.M4等)
一応ソフト上は銃身の延長線上にストックの上端がくるようにしてあります。またバットプレートが可動するので、直線銃床として機能すると思います。

>>ストック折りたたみ時、ファイアセレクタ・マグキャッチとストックの干渉がないようにする
こちらもソフト上はストックとセレクターは9mm以上の隙間を確保してあります。また左側に折りたたみにしたのは89式がそのような形状であること(操作性の統一)、折りたたみ時に射撃が可能であるようにすること(右側にすると軸をななめに配置しなければならないなどの工夫が必要)を達成するためです。折りたたみストックの固定は凹凸をかみ合わせることで行います。

>>・アッパーレシーバーはダイキャストではなくアルミ押出の方がよい(精度的優位性があること、鍛造に馴染み強度が確保しやすいこと
当方も押し出しを検討いたしましたが、内部構造を一気に成型できないことで部品点数、工作工程が増える可能性があります。レシーバーの複雑の形状はそれを念頭に置いているので、とりあえずはダイキャスティングで成型したいです。

>>はめ合い接合箇所(ストック基部やハンドガード等)の突起は大きくかつ少なく
これについては強度試験やモックアップを作っていないのでなんともいえません。確かに機械的な強度をもう少し確保した方がよさそうです。

>>ピストンレールは、もっと太く、かつスチール等の高強度素材で。また、間欠部は溝程度の細さで、さらに角はフィレットまたは面取りをする
ピストンレール(ピストン受け部)はスチール材を検討させていただきます。また、内部にメタルを挿入します。ボルトキャリアガイドについても同様に検討させて頂きます。

>>レシーバー一体型のレールだと、A7075でもアルミは柔らかいので摩耗等による故障が生じた時にアッパーごと完全交換になってしまい経済的ではありません
これについても検討しましたが、レールをネジ留めでレシーバーを合わせた場合、2つほど不安があります。1つ目は工作点数、部品点数が多くなること、2つ目は精度に問題が出ないか、ということです。以上を踏まえますと、とりあえずは一体成型でいきたいと思います。

>>たぶんアッパーの素材の厚みが2mm程度しかないように見えるので、最低でも3mm以上、可能であればもっと厚くするほうが良さ
3mmで当初デザインしていたのですが、確かに2mmになっていますね……!!こちらも耐用試験などを行っていないのでなんともいえませんが、恐らく3mmが適当だと思います。手直ししておきます。

>>フィレット加工について
SketchupはCADソフトではないので、面取り加工が難しく、実施しておりませんでした。そのようなソフトで手直しする機会がありましたら、やっておきます。ご指摘ありがとうございました。

以上です。大変貴重なコメントありがとうございました。励みになりますし、参考になります。今後ともイグアスのブログをよろしくお願いします。
Posted by イグアス・ツェペルトイグアス・ツェペルト at 2013年10月04日 08:14
イグアス様

詳細なご回答いただき参考になりました。

CADソフトですが、スケッチアップに機能不足を感じているのでしたら、先日RSコンポーネンツが発表した「Designspark Mechanical」がいいかもしれません。
操作性が良く、スケッチ/フィーチャーベースで設計できることと、無料CADでは珍しい測定機能やアセンブリ機能を持っており、スケッチアップやDFXファイルの読み書きが出来るのでオススメです。

なお、私も設計に関しては素人どころか、いわゆる『文系』ですので、戯れ言程度のことを言ってると思って流していただいて大丈夫ですw
Posted by ネヴリンネヴリン at 2013年10月04日 12:03
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